生格(応用編)



生格。否定生格など、生格にはいろいろな用法があります。
新たに学ぶのも含め、それらをまとめてみましょう。


Chapter1:否定性格
(1)存在の否定
知っていると思うので説明は省略します。
<注1>存在の否定を表す無人称述語は
現在:нет
過去:не было
未来:не будет
(例)У него не было брата.
   : 彼には兄はいなかった。
<注2>数えられる名詞の場合、
通常は複数形が用いられますが、
強調のために単数形を使うこともあります。

(2)他動詞の否定
いままでは、敢えて教えませんでしたが、実は他動詞が否定されたとき、
その直接目的語を対格でなく生格することがあります。
あ)直接目的語が代名詞のときは必ず。
い)名詞がни одинなどによって限定された時も必ず。
う)「〜ではなく〜」などの様に区別を表す場合によくなされる。
(例)Мы не читаем газет, а читаем журналы.
   : 私たちは新聞を読むのでなく、雑誌を読むのです。
<注1>話し言葉では、気にせず
対格を用いる傾向があります。
Chapter2:数量生格と部分生格
(1)数量生格

あ)単位をあらわす名詞(штука、стакан;грамм、фунтなど)や
数量詞(много、мало、несколькоなど)の後にくる名詞・代名詞は
生格になります。物質名詞は単数生格になることに注意。

い)個数詞(2〜4)と結びつく名詞・代名詞は、その個数詞が主格・対格のとき、生格になります。
個数詞(5以上)と結びつく名詞・代名詞は複数生格になります。

う)また、集合数詞(двое、трое等)に関係する名詞・代名詞は常に複数生格にします。

(例)あ)Сколько стоит килогромм мяса?
     :肉1キロいくらですか?
   い)Я купил две бутылки вина.
     :私はぶどう酒をガラス瓶二本買った。
   う)Мы были в этом городе трое суток.
     :私たちはこの町に3昼夜いました。

(2)部分性格
他動詞のあらわす動作が対象の全体でなく、部分あるいは一定量におよぶ場合、
直接目的語が生格になります。
(例)Вчера он выпил водки.
   :昨日、彼はウォッカを飲んだ。
<注1>一般的な記述の場合は生格になりません。
<注2>男性名詞の中には生格でу、юの語尾をとるものがあり、
数量生格と部分生格でその形が表れる場合があります。
Chapter3:その他
(1)性質を表す生格
限定修飾語を伴った名詞は、生格におかれて性質ないし特徴をあらわすことがあります。
また、これらの結合語は述語にもなります。
(例)Какого он роста?
   :彼はどのくらいの身長ですか?
   На скамейке сидел мужчина лет тридцати.
   :ベンチに30歳の男性が座っていた。

(2)比較の対象を表す生格
比較の対象は普通чемを用いて導くのですが、
短語尾形の比較級については生格を用いても比較の対象を表すことができます。
(例)Она гораздо моложе меня.
   :彼女は私より遥かに若い。
   Он лучше всех энает физику.
   :彼は誰よりもよく物理学を知っている。

<今回でてきた単語>
штука : 個数単位(個、匹、片)
стакан : コップ杯単位(一杯、二杯・・)
грамм : グラム
фунт : フント(1フント=0.41キログラム)
мало : 少し
несколько : 若干
двое : 2つ、二人
трое : 3つ、三人
стоит : 〜の値段である
бутылка : ガラス瓶杯単位
суток : 昼夜、二十四時間
рост : 身長、背丈
скамейка : ベンチ、腰かけ
гораздо : 遥かに
молодой : 若い
физика : 物理学

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