あ゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ！！！ 思い出したぁああぁあぁぁあぁぁぁっっっ！！！
この間ろりお兄ちゃまが欲しいって言ってたお人形！ あれ、たしかお誕生日のちょっと前に、街であやしいおばあさんが溝にはまって苦しんでいるのを助けた時に――
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”グッグッグ、お嬢ちゃん、親切じゃのう。最近の若いもんにはめずらしいわい”
”そ、そう――？ ぱ、パム、当たり前のことをしただけだけど……”
”その当たり前のことをやれる者が最近は減っておるからのう。お嬢ちゃんの指の一本や二本ぐらい煎じて飲ませたいわい。グッグッグ”
”ゆ、指を切り落とされちゃったらパム、困るんだけど……あは、あはははは――”
”グゲゲゲゲ、冗談じゃわい。冗談。本当は胆の汁じゃ。あれを煎じると美味くてのう”
”…………か、関わり合いにならない方が良かったかも…………”
”ん？ 何か言ったか？？”
”ううん。な、なにも……あは…あははははは………”
”そうかのう？ まあそれはよい。お嬢ちゃんよ。儂の見立てに間違いがなければ、お主はいま14歳じゃろう？！”
”え！？ う、うん。パム、今14歳だけど――”
”そしてあと少しで14歳もはかなく散ろうとしておる”
”たしかにもうすぐパムのお誕生日――す、すごぉぉおぉい！！ な、なんで分かったの！？”
”グッグッグ、だてにこの婆、1500年も人の生き血を啜って生き続けてはいないわい！ これくらいは朝飯前じゃ”
”い、生き血！？…………………”
”そうじゃぞ。特にお嬢ちゃんみたいな若い生き血はもう美味でのう。イッヒッヒ”
”さ、さ、さ、さよなら――”
”グッグッグ、まあ待てというに。別にとって食ったりせんわい”
”ほんとにい……（じと目）”
”こう見えても儂は義理堅いのじゃ。恩人に仇なすようなことはせんわい……とまあ、そんなことはどうでも良い！ お主！！ 確かに14歳なのじゃな！！！”
”そ、そうだけど…………もうすぐお誕生日……”
”ぬわにぃいいぃぃっ！！！ それが本当なら一大事じゃ！！！ この世界では14になったおなごは皆、己を象った人形を作ってお守りとして置いておかねばならないのじゃ。そうでないとこの世界の外にいる”ぴいえる”という恐ろしい存在にその身を消される事になるやもしれん。現にそうやって消えていった者どもをこの婆は数多く見ておるのじゃ。悪いことは言わん。すぐさまお主も人形を――そうじゃな。さっきのお礼に儂が作ってしんぜよう。グッグッグ、お嬢ちゃん、お名前は何と言うんじゃ？”
”な、なんか話がやけにうさんくさいだけど……そんな習慣きいたことないし、だいたいその”ぴいえる”って――”
”そんなことはない！！ 見るがよい。ルフィーナ姫もシェラ編集長もきちんと己の魔除け人形を作っておるではないか！ これは秘儀中の秘儀なのであまり表には出てこぬが、これが何よりの証拠じゃ！！！ これでもまだ文句はあるかい！！”
”え？ た、たしかにシェラお姉ちゃまとか、14歳の頃の自分自身のお人形を作っているけど――”
”というわけで決まりじゃ。お嬢ちゃんのお人形は儂が責任持って作ってしんぜよう。ささ、名前を言うてみい”
”ぱ、パメラ・シルフィーヌ………”
”パメラ嬢ちゃんか。ふむ、いい名じゃ。よしよし、構想は固まったわい。グッグッグ、３，４ヶ月後ぐらいには届けられるから楽しみにしとるんじゃぞ”
”た、楽しみっていったって………”
”それと、この事は他言無用じゃぞ。なにせ秘儀中の秘儀じゃからな。一応、念のためにこの揺れる玉を見つめておくれ”
”え？ こ、こう？？”
”そうじゃそうじゃ。お主はだんだん眠くなる〜眠くなる〜ねむ〜く―――――――”
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って！！ これ、その時のお人形さんだ！！！ い、いつの間に届いた――って、それより、な、な、なんで忘れてたんだろう……。う〜〜〜〜〜、良くできてるし、本当にパムそっくりだけど、なぁんか気味悪いよう……（ＴＴ）
そ、そういや、ろろろりお兄ちゃまが欲しがっていたし、あ、あげちゃおっかな……べ、べつに自分の手元に置いておかなきゃいけないなんて言ってなかったもんね。シェラお姉ちゃまたちもみんなに配っているし………うんうん。そ、それがいい。そうしようそうしよう―――――
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