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ハードとしての確実な家作り:実践編 | ||||||||||||||||||||||
11.金属建具工事 外壁の施工と同時、いやそれ以前に、開口部の処理をしておきます。そうしないと、壁と窓の境が、どこまでだか判りません。外壁につく窓や扉は、障子などの内部に使われる建具とは、少し性格が違います。そこで、外部につく建具回りを一括して、開口部と呼んでいます。 かつては開口部にも、木製の建具を使っていましたので、建具工事といえば木製建具をさし、金属建具なる項目はありませんでした。しかし、今日では、木製建具は高価で、よほど潤沢に予算がないと、外部に木製建具は使えません。そのうえ、都市部では、外壁に木製建具を使うのは、防火上も認められていないため、どうしても金属建具を使うことになります。 金属建具というと、アルミサッシです。アルミサッシは、気密性の確保、雨じまいの向上など、住宅性能の向上に、多大な貢献をしてきました。金属特有の冷たい質感さえ除けば、アルミサッシは優れています。また、サッシの登場は、職人の職域区分にも変化を与えました。と言うのは、それまでの建具は、動く部分、つまり、障子とか扉だけを、建具職人がつくっていました。そして、建具を動かす溝や枠は、大工職の職域でした。ところが、サッシという外来の考え方は、枠も建具も一体物ものとして考え、建具と枠共に同じ職人が取り扱っています。 柱を垂直にたてる努力はすでに述べましたが、それでも残念ながら、どの柱も完全に垂直というわけにはいかず、施工誤差、木の伸縮による誤差を零にはできません。上手な大工は、誤差を限りなく少なくするわけですが、それでも零ではありません。今までは、建具と溝や枠の間での、すりあわせが大切でした。大工のつくった骨組に、つまり、誤差のある柱や枠に、いかにうまく建具を建て込むかも、建具屋の腕でした。 アルミサッシは、建具と枠が一体となったため、建具と枠との間の施工誤差はなくなりました。ところが、その余波というか、しわ寄せというか、つなぎの部分が、外壁と枠との間にきました。外壁工事のところでも述べたように、建具枠と外壁材の取り合いがうまくないのはこのためです。部分の進歩は、必ず隣に波及し、何等かの影響を与えます。せっかくの改良が、全体としての改良につながらない場合さえあり、難しいところです。 アルミサッシになって住宅の趣は変わりましたが、機能的にはよい方が多くなったと、匠研究室は考えています。というのは、枠と外壁の納まりは、屋根や庇があるために、雨に対してそれほどきびしく考えなくても、無事だったからです。屋根や庇が、大量の雨を止めてくれるので、漏水の事故は比較的少なかったわけです。しかし、最近の都市部ですと、敷地が狭くなっており、屋根や庇がだせない場合もあり、こうしたときは、慎重に施工することが望まれます。 アルミサッシは、サッシ屋によって組み立てられて、大工によって建て込まれます。その建て込みは、瓦と同様に加重をかけるため、本当は外壁の重さをかけてから、つまり、外壁の施工後にしたいところです。しかし、サッシを建て込まないことには、外壁の区切りがつかないので、それには目をつぶって、まずサッシを建て込みます。 サッシの建て込みには、水平の決定、これが非常に大切です。垂直は上棟の時に確認してありますが、水平は土台敷の時に確認しただけでした。今や、各部分が馴染んでもいます。屋根などの加重がのって、相当変わったはずです。そのためここで、水平をもう一度確認します。水平をだすには、レベルという器具を使うことは前述しました。レベルは精度も高く、よい機械なのですが、二人でないと使えません。一人の時は、昔ながらの水盛り管を使います。精度はすこし落ちますが、簡便な道具です。
実際には、水平の確認はどうするのでしょうか。水平を出すことはきわめて重要なため、実際の現場では初心者には決して担当させません。簡単な作業であっても、それによってすべてが決まってしまうため、現場の責任者の仕事です。実際の作業は、仮設工事の時と同様に、レベルや水盛り管で、柱などの隠れてしまう部材に、印をつけて回るだけです。すると、その墨がすべて水平になっていますから、そこから、何センチ上がりとか、下がりとか計って、床面とします。すると、床面はどこでも水平となります。そして、敷居天井などは、床面から何センチ上がりと、計ればよいわけです。 家中の柱や間柱につけた、水平面の基準から計って、アルミサッシの枠を建て込んでいきます。これで、アルミサッシは垂直水平に建て込まれます。アルミサッシは、木製建具ほどには、微妙な調整を必要とはしませんが、それでも水平、垂直でないと、困ります。サッシの枠が建て込まれると、これで、外壁の決まりをつけることができるようになりました。 アルミサッシにも、いろいろな形式があります。一番良く使われる「引き違い」そのほかにも、「突き出し」「内倒し」「回転」「ジャロジー」……それぞれ、ところに応じて使い分けます。色も何色かあります。いかにもアルミらしいシルバー色、ブロンズ、ゴールドなどなど。シルバーが最も安く、着色ものは一割くらい高価です。白や黒もありますが、それよりまた少し高価です。アルミサッシは工業製品ですから、メーカーによって、つくられます。JISやBLなどの規格はありますが、違うメーカーがつくるものは、同じ呼称であっても、微妙に異なります。ですから、同じブロンズといっても、色が違うことがあります。一軒の家では、同じメーカーの製品でそろえる方が無難でしょう。 網戸や外部につける格子も、セットになって市販されています。設計図には、こうした付属品も指定してあるはずですから、完成時はきちんと建て込まれるでしょう。 アルミサッシは、メーカーの製品ですから、定価商品です。アルミ地金の変動によって、また、仕入れ先の違いによって、市販価格や値引き率は違いますが、原則として定価があります。カタログが用意されていれていて、品番をメーカーに問い合わせれば、必ず定価はわかります。ですから、金属建具工事は、工事費をおさえやすい工種です。 アルミサッシが普及した結果、室内の気密性があがりました。しかも、暖房が強力になったため、結露が発生しやすくなりました。いまだ完璧な結露対策はありません。室内の空気の流れをよくするとか、換気をまめにすることが、結露防止の近道でしょうか。アルミサッシといえば、付きもののガラスについては、ガラス工事として、後述します。 外部回りがある程度囲われてくると、いよいよ床を張ることになります。これからが本格的な造作工事です。 かつては一階の床下は、すぐに土でした。土のうえに、通称ピンコロというコンクリートで型抜きしたもの(昔は玉石をつかった)をおいて、束を立てたものでした。しかし、今日では、床下一面に防湿シート(ポリエチレン0.2ミリ程度)をしいて、その上にコンクリートを打つことが多くなりました。一階はどうしても、地面からの湿気が上がりやすいのですが、これでずいぶんと違います。そして、そのコンクリートのうえに、束を立てます。束は大引きをささえ、大引きは根太(ねだ)をうけ、根太は床板を受けます。
床は、四周を壁に固定されていますから、上下には動きません。ところが、中央部は下から束で支えられているだけで、上からは固定されていません。そのため、床は上からの力には抗することはできますが、床を持ち上げようとする力には、抵抗できません。ちょっと考えると、床が持ち上がるなんて言うことはないと、思われるかも知れません。しかし、床下通気口から風が入って、床を持ち上げることもあるし、木組の床では、木の素性(クセ)によって、床自体が浮くこともあります。そして、浮いた床の上を人間が歩くと、その度にカタカタ・ギシギシと床がなります。床なりは、構造状の欠陥ではありませんが、音が気になって嫌なものです。 床下に使用する材には、一つの原則ができます。それは、全ての材をDの状態、つまり下に垂れた状態で使うことです。長い材を何処も固定しないで、自由な状態に放置すると、AからDのように、さまざま勝手な曲がりかたをします。こうした曲がりは木に内在したもので、外から力を加えれば簡単にまっすぐになりますが、力を抜けば、また元の状態に戻ってしまいます。つまり、釘で固定してしまえば、一見まっすぐになります。ところが、材をCのようにして使うと、わずかな力が集まって思いもかけない力となって、床を持ち上げてしまいます。持ち上げるといってもわずかなものですが、その上を人間が歩くと、人の重みで床が下がり、音がします。そして、人がどくとまた、床が浮き上がるということを、繰り返してしまいます。 床組に使う材は、固定する前に、一度仮ならべをして、一本一本、木のクセを見ます。仮並べの手順は、前の日に並べて仕事を終え、次の日の固定するときに、一本ずつ反りを確認するだけです。ですから、仮並べの手間といっても本当にわずかなものです。ところが、こうしたことに配慮する精神的な余裕は、近ごろメッキリと少なくなりました。すべてに忙しい今日この頃です。 すべての床材を、下垂れに使えば、まず床なりはしません。このとき、釘を打つにもちょっと注意します。上から打たずに、垂木の時と同様に、二本を斜めから打った方がいいでしょう。その理由は図を見てください。床組に使うのは、桧、杉、栂などでしょう。見えない部分ですから、乾燥さえしていれば、栂で充分です。床組が終わると、床板を張るのですが、これから先は、畳の部屋にするか、板の間にするかで、少し仕事が違ってきます。 畳敷の場合は、床板は化粧ではありませんから、荒木のままです。フローリングなどの化粧床に対して、これを粗(あら)床と呼びます。以前は、野地板と同様、杉や松の薄板(12〜15ミリ)を使いました。粗床板はどんなにぴったりと張っても、時がたつと、より乾燥が進み、隙間が開いてきます。その隙間から、風が入ってきます。すきま風は畳を貫いて室内に入り、寒い思いをしたものでした。それを防ぐために、畳と粗床の間に、古新聞を敷いたりもしました。 最近では、粗床も、ラワン合板が使われています。そのため、ぴったりとした床になって、すきま風もなくなりました。粗床材として、合板を使うのは、利点が多いのですが、反面通気が悪くなって、畳にはきびしい状況になっています。畳は、植物ですから、生きています。通気を止められてしまうと、耐久性が落ちます。また、畳の上にカーペットを敷いたりすると、上下からはさまれて、畳はまったく息ができなくなってしまい、ダニの温床となりやすいものです。 粗床は、畳の厚さの分だけ、下げて施工します。床板を根太に固定するのは、釘ですが、その釘は逆目(さかめ)釘を使いたいところです。今までも、釘打ちについては何回かふれましたが、粗床の釘打ちには、どうも工夫の余地が見あたりません。床板の浮き上がり防止には、釘の引き抜き抵抗しかあてにできませんから、普通の釘ではなく、螺旋状に溝のついた釘を使って、少しでも、引き抜き抵抗をふやしたいところです。床板が、根太から浮くと、これも床なりの原因になります。 粗床は、畳の下に隠れてしまいますので、おろそかにされやすい場所です。しかし、壁や天井と違って、人がのる床は、繰り返し加重がかかります。ですから、最初はなんでもなくても、次第に弱点が現れてしまいます。そのために、丁寧に施工しておきたいところです。 次に化粧床です。化粧床といえども、床組は粗床と同じです。ただし、畳という常時加重がありませんので、床なりが発生しやすく、より丁寧な施工が、望まれます。 化粧床は、二つに大別されます。一つは、カーペットや塩ビシート、クッションフロアー(CFとかCFシートともいう)、コルクタイルなどを一面に敷く仕上げです。この場合は、畳の変わりに、カーペットを敷くにすぎず、厚さを別にすれば、粗床とまったく変わりません。ラワン合板の粗床に、カーペットを敷けば良いわけで、畳敷とは厚さの違い以外にはなにもありません。 カーペット敷の場合は、床暖房を敷込むこともあります。床暖房は高価な設備ですが、大変快適なものです。スイッチを入れてから、室内が適温になるまでの時間が遅いことを除けば、最良の暖房方法といっても過言ではないでしょう。暖房に限らず、設備については、後でまとめて述べますので、ここでは省略します。 化粧床のもう一つは、板張りにすることです。実は、化粧床と言えば本来は、板張り床のことで、日本建築では大変古くからありました。最近では、厚板や、幅広板は高価になって、板張りは贅沢なものとなりました。板張りでも床暖房を仕込むことができるが、その時は床暖房専用の床板を使わないと板が暴れてしまう。 まず、歴史の古い縁甲板から述べていきましょう。縁甲板とは、昔から廊下などに張られていた幅10センチほどの板です。多くは桧が使われ、本実(ほんざね)加工をした長い板です。本実加工がしてありますので、次々と接合して、釘を見せません。 雌の方へ、隠し釘打ちをして、根太に固定します。縁甲板といった場合は、針葉樹系の材料からできており、3.6メートルの長いものです。長さが揃っていますから、継ぎ手は規則性をもって繰り返されます。それに対して、同じ断面をもっていても、1メートル内外の物は乱尺板と呼びます。こちらは、広葉樹系の材が使われます。乱尺板は、名前の通り、長さがまちまちで、継ぎ手も規則性がありません。楢(なら)や山桜(やまさくら)などの雑木をつかいますので、材が狂いやすく、長いものがとれないのです。材質が堅いので耐久性があるため、洋間の床、土足の床、体育館の床などに使われています。 縁甲板や乱尺板を張るときでも、予算が許せば、粗床を張りたいものです。ラワン合板(12ミリのコンパネでOK)を一枚捨て張りし、その上に縁甲板を張ると、実にしっかりした床ができあがります。 縁甲板や、乱尺板は、真物(まもの)ですが、今日ではラワン合板を芯とした物に、薄くそいだ板を張った化粧合板というものがあります。今では、こちらの方がたくさん使われています。真物のほうがいくらか値段が高いこともありますが、値段のせいだけではなく、真物は手入れが大変だと言うことも、嫌われる理由の一つです。 本物の木である真物は、毎日磨きこまなければならず、手入れを怠ると、たちまち黒くなってしまいます。それを嫌って、ニスなどを塗ってしまえば、真物の味がなくなってしまいます。また、靴を履くことの多い現代では、靴をぬいだ直後の足は、ひどい脂で、それが板に吸い込まれて、跡となって残ってしまいます。どうも、真物の床板は、昨今の生活事情には、あわなくなってきました。 そこで、薄い化粧板(1から2ミリ)をはった、化粧合板という床板が使われています。これは、10〜13ミリのラワン合板を芯としていますから、全体では12〜15ミリの厚さがあり、表面には塗装がかけてあります。化粧板は、市松など様々な模様に張られており、華やかです。施工も簡単なため、最近では 合板の化粧板は、合板だから安いだろうと思われがちですが、以外と高価です。合板は、表面に張る化粧板の厚さによって、値段が変わります。化粧床板は、幅30.3センチ、長さ1820ミリの物が6枚で一坪となるように、規格化されており、一坪分で梱包されています。一坪当り9、000〜20、000円くらいでしょうか。 真物の値段は、柱と同様に、節のあるなしによって、決まります。桧を例にとりますと、次のようになります。
一等は、化粧床板よりも安く、坪7、500円くらいです。無地で坪30、000円と言うところでしょうか。柾となると、時価とか、相談という恐ろしいことになります。匠研究室では、化粧合板を好まないため、真物の仕様頻度が高く、大工さん泣かせです。一等や小節などのなるべく安い材料を、うまく使うように心がけています。 最近では少なくなりましたが、幅広板の床張りにもふれておきます。何度もいいますように、木は生きています。用材となってからも、伸びたり縮んだりするのは、ずっと続いています。幅の狭い材の時は目だたなかった伸縮も、幅広板となると、事情が変わってきます。幅が広くなればなるほど、伸縮の量は大きくなります。板の両端に釘を打ってしまうと、板が伸縮できなくなって、釘のところから割れてしまいます。 幅広板の場合は、幅方向に材が動けるようにしておかないと、板割れをおこします。そうはいっても、床板ですから、床に固定されてなくては困ります。つまり、固定されながら、しかも動くように施工しなければなりません。そのうえ、図のように、板自身が反りたがっていますから、反りも止めなくてはいけません。でないと、床が平らにならず、波うったようになって、とても使用に耐えません。
古くから、固定法がいくつか考えられてきました。まず、吸付き桟です。手間はかかるが確実な方法です。床板の裏側に、あり溝とよばれる台形断面の溝を掘ります。そして、それと同型に角材の上端を加工して、それを床板の横から滑り込ませます。すると、内側が扇型に広がった台形のため、角材と床板は離れなくなります。こうした細工を、床板の裏側に、60〜90センチ間隔で施し、その角材を根太に止めます。すると、幅広方向Aの伸縮は、角材との間で動くことによって吸収され、かつ根太にも固定できるわけです。しかも、B方向の反りも一緒に止めることができます。この加工を吸付桟とか、アリといいます。手間のかかる仕事ですが、確実です。しかし、最上のこの方法にも、欠点があります。 吸付桟の欠点は、床板の繊維を一律に切断してしまうため、その部分だけ薄くなり、材の性質がそこで変わってしまうことです。右図がその断面ですが、両材の1〜5までの全ての面を、ぴたりとつける工作は至難の技です。そこで、実際は3の部分をこころもち透かして、1245をつけるように工作します。すると、3の部分の乾燥度が、他と異なり、アリをきったところで、特異な曲がり方をします。もちろん、ほんの少しの歪みですが、精致な仕事をしている場合は問題になります。そこで、床板の厚さから、最良のアリ幅、アリの深さを決める必要がでてくるわけです。 アリをきるだけなら、どんな職人にもできますが、施工後の変形を予測しての寸法決めや、アリの強さの調節、このあたりは、もう完全に名人の領域です。設計者がどうこう言える世界ではなく、完全に職人の技術が支配しています。名人芸の基本は、誰にでもできます。しかし、それが名人芸と呼ばれるときは、その精致さの次元が異なっています。
次に最も多く施工されている例です。カスガイと呼ぶ、図のような金物があります。これは、釘と同様に、二つの材料を固定するものですが、二つの材を貫通するように使うのではなく、材と材をまたいで使います。これがおもしろいのは、爪の開き具合いを調節することによって、材を離すことも、寄せることもできることです。 ふつうのカスガイは、平行な材に使いますが、直行する材に対しては、テチガイ(手違いのカスガイ)をつかいます。テチガイは、カスガイの爪を90度ひねった物で、図のように使います。板の中間に使うときは、三角に釘掘りをして、そこに手違いを打ちます。こうして、吹付桟と同様に、60〜90センチ毎に、テチガイを取り付ければ、床板を根太に固定できます。 板の幅方向の伸縮に対して、テチガイが有効なことは、もうおわかりでしょう。ワタリの部分が、材の中に入っていないため、幅広板が伸縮しても、それに追随して動くから、板が割れたりすることはありません。これは、簡単に見えますが、なかなかに効果的で、昔からしばしば使われてきました。 いくら幅広板といっても、一枚で一部屋を張るわけにはいきません。何枚かの板をついでいくわけです。そのとき、その継目が問題になります。Aのようにツキツケとすると、板が縮んだときに、隙間ができてしまいます。そこで、BやCのような細工をします。BやCのようにしておくと、両方の板が一体となって、片方だけが反るということがなくなります。もちろん、板の両側にこうした加工をして、次々に板をついでいくわけです。こうしておけば、床は部屋一面に平らで、うまい具合いです。 最近は、真物の幅広板が高価になって、めったに使われなくなったため、こうした工作はすたれています。ですから、幅広板の工作など知らなくても、大工仕事は充分にできます。しかし、幅広板について知っておくことも悪くはないと思います。とにかく、幅広板は、完全に固定してはいけません。あとで述べる、天井板、建具の鏡板などすべて同じですが、板が動けるように固定しないと、割れてしまいます。どんな幅広板でも、割れないように固定することはできます。幅広板の板われは、施工の下手さを示すだけで、言い訳は通用しません。 手入れの行き届いた、真物の板は、見事な艶をはなち、実に魅力的です。絶え間なくふき込む=磨き込むという労力が、新築時以上の美しさを生み出すことから、家は住む人次第と言われるのでしょう。 |
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| 「タクミ ホームズ」も参照下さい | |||||||||||||||||||||||