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             ◎◎ バランス・スコアカード ◎◎

      財 務        Balanced Scorecard
     |       of the Users              <第7号>
プロセス--+--お客様      by the Users
     |         for the Users
      人 材        Pubzine ID=18104
                          BSC-U3  Vol.2002-007      2002.09.23
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★  ML もよろしければ: http://www.egroups.co.jp/group/BSC_Users  ★
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□□     --------------- メニュー -------------- 
□□   
    
    1)BSC 導入チップス 〜 ところで BSCってなぁに?
    2)イベント・レポート 〜 真之助プレゼン(その5)
        3)ビジネスで遊ぼう図 〜 おかあさんのBSC
    4)BSC 有識者に聞く/経験者に聞く/プロに聞く 〜横須賀市

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□□ 1)BSC 導入チップス 〜 
□□    ところで、バランス・スコアカードってなあに?(レッスン5)
         
  //// このコーナーは、バランス・スコアカードとは?について
  //// おさらいするコーナーです。
  ////  知ってるよそんなの、という方はスキップ

<前号まで>
  ●誰が考えたの? --- キャプラン&ノートン
  ●一言でいうと?  --- 4つの視点で戦略を推進する手法
  ●なぜ、必要になったの? --- 大事なものはダイジだから
  ●バランスさせるのはなぁに? --- いろいろ
  ●戦略展開ツールとしてのBSC --- トップダンを末端まで
  ●握り(約束)のツール --- 握るときは握り方がある
  ●鳥瞰図としての価値

  前回までは、バランススコアカードを、経営をする上での鳥瞰図
  としてお話してきました。

  今回は、業績評価ツールとしての役割を考えてみたいと思います。

◎業績評価ツールとしてのBSC?

  バランススコアカードは、戦略やビジョンを現場に展開・浸透・実行
  させるツールと実行の結果を評価するツールの2つの役目を併せ持つ
  ものですーーーという表現をする本や解説があります。
  人事部の人がBSCを導入しようと言い出すと、社員はまた新たな評
  価ツールかぁと、そういう目で見ることになる。
  企画部の人がBSCを導入しようとすると、それは戦略展開、方針展
  開の役目かな、また目標記入のフォームが変わるな、ということに
  なるわけです。

  ここでは、業績評価のツールとしてのBSCを考えてみましょう。

  バランス・スコアカードを設定するときは、あらかじめ納得のいく
  チャレンジングで実現できそうな目標を設定し、さらにその達成度
  を測るレベルを決めておきます。
  たとえば、新規顧客獲得数を今年は100件を目標にする。という
  目標だったとすると、120件以上なら、1.2倍、80件以下なら
  0.8倍のポイント評価にする・・・なんてのを決めておくのです。
  (このあたりは、今書いている本に詳しく書いてます)
  そうすれば、年度末に評価を曖昧にすることもない。(ただし、目標
  が予想外に簡単にクリアできたりすることはあるでしょうが、それは
  運がよかったと思いましょう。逆もあり。)

  ところで、評価はなぜ必要なんでしょうか・・?
  人の順位を決め、点数をつける仕組みがなぜ必要なのでしょう。
  人事部がきめたから?
  会社の報酬原資の増を抑えたいから?
  そうしないとサボるヤツがいるから?
  なぜか、押し付けられた制度、しかたなのない仕組み・・といった感が
  ぬぐえないのではないでしょうか?

  評価というものが(小学校のころから、すべからく)"されるモード"の
  仕組みだという観念が私達の頭には染みついています。
  そのモードで、業績評価をするとまったく意味のないものになってしま
  います。
  バランススコアカードが、自ら目標を決め(もちろん上司を相談の上)
  その達成評価基準も決めておく・・という「するモード」の制度として
  運用すれば、本来の価値を発揮するシステムといえます。

  される、する、このわずかな違いは、組織を企業を個人を価値創造に
  向かわせるかどうかの目に見えない微妙な岐路になるのではないでしょうか。
  従って、バランス・スコアカードは、    ・・
    評価ができるツールではあるが、評価するためのツールではない。
  この点はキモに銘じておくべきでしょう。


<次号以降>
□フォローの仕組み
□どうして注目されてるの?
□JQA、目標管理とどうかかわるの?
□シックスシグマとの関連は?
□具体的にはまず何をすればいいの?

  続きは、また・・。
  
  
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□□ 3)イベント・レポート  
□□    〜【バランス・スコアカード・フォーラム2002】〜(5)

  ////  日経情報ストラテジー(日経BP)主宰のフォーラムで
  ////  しんのすけがお話した内容+α の続きです。
  ////  走りながら考えた7つの法則の続き。


<前号まで>
 ●法則1:(BSC+MBO)xPDCA=!!!
 ●法則2: BSC=「思考」のテンプレート
 ●法則3: BSC=「表現」のテンプレート
 ●法則4: BSC=「物語」のテンプレート

 ワーォの法則その5: BSC=「実行」のテンプレート

    前回は、戦略要素の因果関係を明確にすることは、物語にすることと似
  ているといったお話をしました。
  箇条書きではなく、図解しようといことです。キャプランは、その図解の
  ことを「戦略マップ」と呼びました。
  さて、全体像はできました。・・・その次は実際にそれを実行していく
  ための目標が必要です。
  戦略目標を実行するために必要なことは、それを日々の業務に直結する
  アクション目標に落とし込むことが必要です。
  そのことは、具体的な目標であること、そしてそれは測定できること、
  が大切なポイントです。

  例えば
    安全な作業を目指す。
    効率的な業務に改善する。
  というのは目標としては結構なのですが、それをもっと具体的に落とし
  こみ、測れるようにしなければいけません。
    安全な作業 => 作業申送書を改善して引継ぎミスを減らす。
               現在10件/年⇒ 5件/年
             ヒヤリ・ハットの事例紹介
               現在なし ⇒ 毎月1回
    効率的な業務 => 二重入力の洗い出しと簡素化
              xx作業の作業完了時間の短縮(TAT短縮)
                現在平均3ヶ月=>目標2ヶ月
  みたいな落とし込みですね。

  あれれ、なんだか昔のZD運動とかQCサークルみたいやでぇ・・・
  なんか、泥臭いな〜・・なんて思っちゃいますか?

  いいんです。それで。

  日々の仕事はそうそう変わりません。しかし、それをどう変えていくかが
  全体の中でどのようにつながり、何故必要なのかが見えているか、いない
  か・・・は大いに違うはずです。

  レンガを積む男の話がありました。ただレンガを積んでいる男と、立派な
  教会を作ろうとしてレンガを積んでいる男では、意欲やモチベーションの
  点で明らかに違いがあります。
  こうして、全体との調和を見出しながら、目的は何かという意義を感じ
  ながら作り、実行していけば、
  バランス・スコアカードは、大きな戦略を日々の業務に落とし込む「実行」
  のテンプレートとなりえるわけですね。

 ○法則6: BSC= Hard + Soft + 「Heart」
 ○法則7: BSC=「Mind Leverage」


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□□ 3)みじかなところをBSCしてみよう
□□       ------- ビジネスで遊ぼう図 --------

  よくサラリーマンの間で、「それはうちの大蔵大臣に聞いてみないと
  なんともいえませんなぁ・・」「アハハハ」 みたいな会話があります。
  そこには、うちも同じですよ という共感の笑いが渦巻く。
  会社では、部長!なんて呼ばれているエライ方も家庭に帰れば、給料を
  もって帰ってくるリーマン父さんという方も多いことでしょう。
  土日になればほとんど奥さんの僕(しもべ)と化してしる優しいお父さん
  を演じている方も多いはず。つまり、家庭はお母さんが社長なんですね。

  しょうがねぇなぁ・・なんて思わず、それは事実として認めておいたほう
  が無難でしょう。家庭の平和維持のためには・・・
  例えば、日々の業務(家事)の隅々まで一人で取り仕切り(事業部長)、
  食料の調達(調達部長)、家計を握り(資金・経理部長)、旅行の計画
  (企画部長)、子どもの教育のために塾を選び(人事部長)、ダンナの
  服をユニクロで買ってきたり(総務部)、引越しともなればいろんな情
  報を総合したり(企画部長)、ダンナの洋服の領収書をCKしたり(監
  査役?)・・・まあ「社長」と呼ぶに相応しい大活躍
  をしているのですから・・・・。

  なるほど・・・と思ったところで、お母さんのバランス・スコアカード
  を考えてみましょう。


    ≪ 家族平和のBSCー50年先を見越した家庭戦略 ≫
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  ◇ミッション(使命) :家族の柱として(!?)家族の繁栄と幸せ、
              そして自分自身のハッピネスを追求する。

  ◇ビジョン(将来像) :ファミリー・マネジメントを極め、ダンナ
              コドモを自立させ、自らも社会貢献ができる
              自立人間をめざす。

  ◇ストラテジー(戦略):家事満足度を上げる(FS=家族の満足÷家事労力)
              自分時間を確保する(MT=24−家事子育て時間)
              社会との関りを増やす(PTA,Part・・)
              健康と美貌を保つ。(脂肪とシワをへらす)
               __  
  ----------------------- ||--------------------------------
              \/

  ◎財務の視点 :家計簿ERPの導入(MyZAP.com)
          だんな様のおこずかい据え置き!
          へそくり倍増秘密計画の公開!

  ◎顧客の視点 :年に一度はチェーック!
           自分は生きがいをもって元気にやってるか?
           ダンナは健康で明るいか?
           子供は元気で楽しそうか?
           親は健康でやってるか?

  ◎プロセス視点:炊事・洗濯・掃除(SSS)の効率化
              (子供とだんなの人材活用)
          社会への関与と自己確立(PTA、自治会、フィトネス)
          だんな様が頑張れるように(健康管理)
          子供がすくすく育つように(健康管理、学習意欲増進)
          親が幸せな老後を遅れるように(ボランティア)

  ◎人材の視点 :子供の年齢に応じた子育ての方針
          だんな・子供のしつけ(男もトイレは座って・・など)
            =>家事効率向上に繋がる
          PTA役員の意識改革
          学校の先生の意識改革

  -------------------------------------------------------------

 皆さんも、何か面白いネタのBSCがありましたら、是非ご紹介ください。

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□□ 4)BSC 有識者に聞く/経験者に聞く/プロに聞く
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  JMA主宰のバランススコアカードのフォーラムがありました。(9.11)
  僕も参加してきましたので、その様子をご報告します。
  自治体での取り組みレポートです。
  ---------------------

  今回は、地方自治体の取組みとして、横須賀市の事例が紹介されました。
  横須賀ときけばペリーが上陸した町、軍港の町・・・などいろいろな
  イメージがあります。
  現在、人口42万人の中核都市で、行政評価システム導入により、
  市民に顔をむけた行政を進めている都市です。まちづくり評価委員会に
  市民をメンバーに入れた市民協働スタイルをとっています。

  行政評価の仕組みは、三重県などを皮切りに、意識改革や総合計画の推進
  ツールとして導入・検討している自治体が多いようです。
  アウトプット(結果)は、計画した事業の進捗やコストなどで
  アウトカム(成果)は、住民の満足度を測ることによって評価する・・
  そんなイメージです。
  数年まえから自治体がさかんに研究している自治体経営の手法とでも
  いいましょうか・・・。政策評価システムという呼び方もあるようです。
  いずれにしても、“住民、市民を行政サービスの「お客様」として捉え
  顧客満足度を中心に据えて行政活動の実績を評価し、政策推進を図る”
  というものです。
 
  そして、そこにバランススコアカードの視点と考え方を取り入れるのが
  最近のハヤリ。
  
  横須賀市でも、都市政策研究所が中心になってバランス・スコアカード
  のコンセプト(目標の連鎖、成果指標、顧客の視点、・・)などを
  取り入れようとしているところです。
  市の計画を、バランス・スコアカ−ドの視点でプレゼンし、施策の進行
  をお客様の視点から管理・評価し、説明していこうというものです。
  横須賀市が、市全体としてバランス・スコアカードで自治体運営して
  いまーすという状況ではないですが、その考え方を取り入れようとして
  いる段階といえましょう。

  まだ、自治体が、バランススコアカードで経営してます!と明らかな
  形を見せているところは少ないのですが、自治体がそのコンセプトに
  注目していることは確かなようです。

  初めて知りましたが、自治体では、実施している業務のことを「事務事業」
  という言い方をします。はじめて耳にする単語で面白いなと思いました。
  また、市職員が学会で発表することも推奨していて、よのなか面白くなり
  そうだなとも思いました。

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  大事なことは、住民がお客様であること(価値評価はお客様が決める)、
  評価は目的ではなく手段であること、でしょうか。

  自治体が利益を生み出す事業をやって、税金無しにするよ・・・なんて
  ところがあれば(たとえば、ラスベガスのあるネバダ州は州税がない?)
  面白いが、今はそんなところはない。自治体経営の価値創造は、基本的
  にお客様(住民)満足度をいかに上げられるかにかかっている。

  そういう状況を踏まえ、バランス・スコアカードも企業のように、なんと
  いっても最後は利益よというものではなく、顧客の視点をトップにもって
  くるような形になるでしょうね。
  (実は、現在作成中の地元市のバランス・スコアカード案もそういう
   形にしています)


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  次の8号は、秋深し隣はどんなバランススコアカード・・・?
  なお、イベントのPRについては、適宜ご案内します。主催者からの
  メールお待ちしてます。

  ご意見、コメント、アドバイス・・・お寄せください。
  webook@yahoo.co.jp 松山あて。
        
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