H邸の新築工事        はじめに    

 住宅の設計も、何を主題にするかによって、その過程は大きく違います。 1.)デザインを中心にした目に見える格好良さを追うもの 2.)使いやすい機能を実現しようとするもの 3.)気持ちよい空気の環境をつくるもの 4.)最低限の予算で建築をめざすもの 5.)工期の短縮をねらったもの 6.)徹底して安全性にこだわるもの 7.)長い寿命を実現するもの 8.)住まい方の追求を実現するもの などなど、住宅の設計が目指すものは、多々あります。

 多くの場合、それらのいくつかを組み合わせて、無難な線へとまとめ上げていきます。今回は外観のデザインや形には、拘りませんでした。それより、充実した室内空間(えもいわれない豊かさ)と、快適な空気を室内にただよわせること(外断熱+高気密を、設計の第一目標にしています。つまり、夏は涼しく、冬は暖かい。そして、あまり室温に変化がないように考えています。そのための工夫を、随所にしました。

 形のないところから創るのですから、分かりにくいところもあると思いますが、ご質問があればお気軽にどうぞ。おおよその工程は、下記の通りです。
2002年4月〜2003年1月
設計にかんする事項 施工にかんする事項
 4月 <H>さんより電話がある
 5月 建て替え・新築を決定
5月22日  設計・監理契約を結ぶ
 6月 設計中
6月17日 建築確認申請提出
 7月 施工者の選択・工事予算の掌握
7月4日  建築確認取得

設計の終了
施工者決定・解体開始
7月15日  請負工事契約を結ぶ
7月22日  解体開始
7月31日  解体終了
 8月 工事開始 工事監理のはじまり
8月 5日 床着け検査
   13日 基礎の配筋検査

8月 1日 建築工事の着工
    3日 根切り終了
   12日 基礎の配筋終了
 13〜18日 お盆休み
   20日 基礎コンクリート打設
 9月 上棟検査 9月 6日 上棟
   20日 屋根が葺ける
10月 監理中・中間検査 サッシなどの取り付け
11月 監理・竣工検査 内装工事・設備工事など
12月 12月 3日 完成検査
12月14日&15日 内覧会
12月16日 引き渡し
12月 3日 完成検査
12月14日&15日 内覧会
12月16日 ダメ直し、引き渡しへ
 1月 1月28日 1ヶ月検査 アフターケア


   設計や工事の順をおって
 第  1 回    匠研究室に設計依頼が来るまで−その1
 第  2 回    匠研究室に設計依頼が来るまで−その2  
 第  3 回    今の家を建て替える決断
 第  4 回    建築の設計がすすむ過程−その1:設計とは考えること
 第  5 回    建築の設計がすすむ過程−その2:設計とは表現すること 
 第  6 回    建築の設計がすすむ過程−その3:設計とは決断すること   
 第  7 回    実施設計に入る−その1:最初の課題
 第  8 回    実施設計に入る−その2:実施設計は手仕事である
 第  9 回    実施設計に入る−その3:実施設計はお金との格闘である
 第 10 回    実施設計の終了−施工者(施工金額)の決定
 第 11 回    実施設計の継続−太陽光屋根への変更
 第 12 回    解体工事開始−7月22日(月)から
 第 13 回    解体工事の顛末記−手毀しのワザわざか
 第 14 回    基礎工事−その1:家の位置を決める
 第 15 回    北側擁壁と近隣対策と−ご近所お互い様では通らない
 第 16 回    基礎工事−その2:頑丈な基礎に
 第 17 回    基礎工事−その3:台風襲来
 第 18 回    敷地境界問題−所有権境と建築の敷地境界は違うが
 第 19 回    上棟になった−骨組を立ち上げること
 第 20 回    屋根を葺く−工事が進み始めた
 第 21 回    外壁ができた−サッシがつく
 第 22 回    定例の打ち合わせ−毎週火曜日午前10時
 第 23 回    順調な工事進行−報告することがなくて
 第 24 回    続・敷地境界問題−土地は建築より難しい
 第 25 回    設計は続く−建築途中の追加・変更
 第 26 回    近隣との付き合い−自己主張の民主主義
 第 27 回    続・近隣との付き合い−トンデモの近隣者たち
 第 28 回    完成引き渡し−終わりの儀式

 

「タクミ ホームズ」も参照下さい
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